志望校選び②東京都立小石川中等教育学校

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はじめに

志望校選びのシリーズ、第2回目です。

わが家では、都立中高一貫校への進学も視野に入れて、少しずつ志望校を検討中。前回は「武蔵高等学校附属中学校」について書きましたが、今回はその続きとして「東京都立小石川中等教育学校」についてまとめてみました。

小石川って、都立御三家のひとつなんですよね。理系に強くて、校風も自由。都立を目指すご家庭なら、きっと一度は名前を聞いたことがある学校だと思います。

私も気になって、いろいろと調べてみました。学校の特徴や入試の傾向、実際に通っている生徒さんの雰囲気など、保護者目線で感じたことを、今回も正直に書いていこうと思います。


小石川中等教育学校ってどんな学校?

小石川中等教育学校は、文京区にある都立の中等教育学校です。
中高一貫の6年間を通して、じっくりと学びを深めていくカリキュラムが組まれています。

都立中の中でも最難関と言われており、いわゆる「都立御三家」のひとつとして知られています。
(ちなみに他の2校は、武蔵高附属中と両国中等です)

小石川中等の特徴は、なんといっても理数教育に強いこと。
SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定校でもあり、探究学習や実験・研究活動がとても充実しています。

アクセスも良好で、最寄駅は「茗荷谷」や「白山」など。
都心からも通いやすく、広い範囲から生徒が集まっている印象です。

学校の特徴まとめ

項目        内容
学校名東京都立小石川中等教育学校
(完全一貫型)
所在地〒113-0021 東京都文京区本駒込2-29-29
・都営三田線「千石」駅 徒歩3分
・山手線/都営三田線「巣鴨」駅 徒歩10分
・山手線/東京メトロ南北線「駒込」駅 徒歩13分
設立2006年(平成18年)
(1918年(大正7年)に創立された東京府立第五中学校を前身とし、100年以上の長い歴史と伝統を持つ学校)
生徒数各学年160名、全校で約960名
・1学年4クラス・1クラス40名が基本
・男女共学
学区東京都全域
制服前期生(1〜3年生):ブレザータイプ制服
後期生(4〜6年生):私服OK(式典時は制服または準ずる服装)
部活動・39の部活動(運動部17、文化部21、同好会1)
・前期生と後期生が一緒に活動。
・部活動への加入率は、前期課程で99%後期課程で96%と非常に高い。
・生徒の自主性と意欲が尊重されている
生徒会・「生徒会」という呼称ではなく、「生徒自治会」として活動
・中央委員20名+評議員(各クラス2名)で構成
・生徒自身が学校運営に積極的に関与する体制が整っている
行事入学式・対面式・結団式のほか、芸能祭・体育祭・創作展・小石川セミナー・小石川フィロソフィー発表会・職場体験・語学研修(国内/海外)・合唱発表会・卒業式など、多彩
給食・前期生はランチボックス(1食335円)を注文するか、弁当持参
・後期生は弁当持参(構内販売弁当あり)
授業・前期生 45分×7時間授業
・後期生は、8時間目に第2外国語(ドイツ語、フランス語、中国語)の授業あり(選択者のみ)
施設理科室(物理・化学・生物・地学)、美術・工芸・音楽・調理・被服室などの専門教室、図書館、自習室、PC教室、CALL教室、多目的ホール、体育館、プール、グラウンド、テニスコート等
教育目標・「立志」「開拓」「創作」の教育目標を柱に、「小石川教養主義」「理数教育」「国際理解教育」の3つの特色ある教育活動を推進
・6年間を通じて課題探究型学習「小石川フィロソフィー」に取り組み、課題発見力・継続的実践力・創造的思考力を育成
カリキュラムの特色1.文理分けをしない全人教育
文系・理系に分けず、全科目を履修して幅広い教養を身につける。
課題探究型学習「小石川フィロソフィー」
週1~2時間の課題探究型学習に取り組み、課題発見力、継続的実践力、創造的思考力を育成。
3.理数教育の強化(SSH指定校)
文科省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として指定を受けており、理数系の教育に特化したカリキュラムを実施。
4.国際理解教育の推進
海外語学研修やオンライン英会話などを通じて、国際的な視野と実践的な語学力を養う。
5.第2外国語の選択:4年生から第2外国語(ドイツ語、フランス語、中国語)の選択が可能。
6.特別選択講座(6年生対象)
6年生では、週21時間の特別選択講座が設定され、自分の興味や進路に応じて科目を選択。

進学実績

🎓 2025年度 大学合格実績(延べ人数)

小石川中等教育学校の2025年度(令和7年度)大学入試における進学実績は、以下の通りです。

  • 東京大学:16名
  • 京都大学:6名
  • 一橋大学:3名
  • 東京工業大学(東京科学大学):7名
  • 旧帝大(北海道・東北・名古屋・大阪・九州):19名
  • 国公立大学合計:81名
  • 早稲田大学:60名
  • 慶應義塾大学:28名
  • 上智大学:23名
  • 東京理科大学:58名
  • GMARCH合計:158名
  • 私立大学医学部:5名
  • 国公立大学医学部:7名

📊 特徴と傾向

  • 国公立大学の合格者数は計81名(卒業生の約50%以上)
  • 早慶上理GMARCHの合格者数は計277名(卒業生の約59.3%)
  • 医学部合格者数は、国公立大学医学部が7名、私立大学医学部が5名
  • 海外大学への合格者もおり、グローバルな進路選択が可能な環境が整っている。

総合評価

  • 都立中最難関:武蔵高附属中、両国高附属中と合わせて「都立御三家」と呼ばれることもある。
  • 自由な校風と自主性の尊重:校則が比較的緩やかで、生徒の自主性を重んじる環境が整っている。生徒主体の行事運営や委員会活動も盛んで、個々の意見を尊重する文化が根付いている。
  • 高水準の教育内容:「小石川教養主義」のもと、文理を問わず幅広い教養を身につけるカリキュラムが特徴です。探究型授業「小石川フィロソフィー」や、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校としての理数教育の強化など、質の高い教育が提供されている。
  • 活発な部活動と多様な選択肢:文化系・運動系問わず幅広い部活が存在し、生徒は自分の興味に応じて選択できます。理系の部活では科学オリンピックなどで成果を上げており、学問と部活の両立が可能な点が魅力。
  • 高い進学実績:2024年度の卒業生のうち、約38.9%が主要国立大学に合格。早慶上理GMARCHの合格者数も、卒業生の約59.3%に達している。

小石川中等教育学校の入試倍率と偏差値

倍率

小石川中等教育学校の入試における、過去数年間の募集人数、応募者数、受検者数、合格者数、および実質倍率の推移を以下にまとめました。

年度募集人数応募者数受検者数実質倍率
2025160名551名501名3.13倍
2024160名684名616名3.85倍
2023160名707名648名4.05倍
2022160名736名674名4.21倍
2021160名755名690名4.31倍
2020160名808名740名4.63倍
2019160名850名780名4.88倍
2018160名880名820名5.13倍

傾向とポイント

受検倍率の推移:2018年度の5.13倍から2025年度の3.13倍まで、受検倍率は年々減少傾向にあります。

要因の考察:倍率の低下には、私立中学校の多様化や授業料無償化政策の影響、また都立中高一貫校の適性検査対策の難しさなどが影響していると考えられます。

依然として高い人気:倍率が下がったとはいえ、小石川中等教育学校は都立中高一貫校の中でも高い人気を誇り、難関校としての位置づけは変わっていません。

偏差値

小石川中等教育学校の偏差値は、都立中の中でも最高水準に位置しています。

学校名偏差値(目安)
小石川中68~70
桜修館中59~61
両国高附属中61~64
武蔵高附属中60~63
白鷗高附属中58~61
三鷹中58~60
大泉高附属中58~60
南多摩中58~59
立川国際中57~59
富士高附属中56~59
(四谷大塚・日能研・首都圏模試などを参考にした目安)

小石川中等教育学校の入試情報(2025年度)まとめ

小石川中等教育学校の2025年度(令和7年度)入試に関する情報を以下にまとめました。

概要(2025年度)

1. 一般枠募集

  • 募集人数:160名(特別枠合格者数を含む)
  • 試験日:2025年2月3日(月)
  • 選抜方法:報告書(小学校の成績)および適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(各100点、計300点)
  • 受検料:無料(都立中等教育学校のため)

2. 特別枠募集

  • 募集人数:5名以内(男女の別は問わず)
  • 試験日:2025年2月1日(土)
  • 選抜方法:報告書(100点)、作文(400点)、面接(500点)の合計1000点満点で評価
  • 受検料:2,200円
  • 応募資格:自然科学分野の全国的なコンクール等で上位入賞し、入学後もその能力の伸長に努めることができる者。

※ 特別枠募集に合格した場合、一般枠募集を受検することはできません。また、特別枠募集と一般枠募集の両方に出願することは可能ですが、特別枠募集で合格した場合は一般枠募集の受検資格を失います。

ころっとママ
ころっとママ

2025年度入試から、都立中における「男女別定員」は廃止され、男女合同定員(ミックス募集)となりました。男子・女子の枠はなくなり、成績上位者から性別を問わず合格者が決まります。

試験内容(一般枠)の詳細

・小石川中等教育学校は、3科(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)の適性試験を実施する学校。
・報告書(内申点)と適性検査の比率は25:75

適性検査Ⅰ(200点/800点)

  • 共同制作問題(=東京都教育委員会が都立中高一貫校全体で共通に使用する問題)
  • 100点満点を、200満点に加算
  • 分野国語的分野
  • 試験時間:45分
  • 出題内容:2つの文章を読み、それに基づいた読解問題と、400字以上440字以内の作文
  • 過去問はこちら

適性検査Ⅱ(200点/800点)

  • 共同制作問題+独自制作問題(=小石川中等教育学校が一部オリジナルで問題を作成)
  • 100点満点を、200満点に加算
  • 分野算数・社会・理科的分野
  • 試験時間:45分
  • 出題内容:資料を基にした問題で、計算、グラフ作成、記述などが含まれる。
  • 過去問はこちら

適性検査Ⅲ(200点/800点)

  • 独自制作問題
  • 100点満点を、200満点に加算
  • 分野算数・理科的分野
  • 試験時間:45分
  • 出題形式:理科や算数に関する問題で、実験や観察、規則性の発見などが含まれる。
  • 過去問はこちら

報告書(内申点)(200点/1600点)

評価期間:小5・小6の2年間(9教科×25点×2年=最大450点)を200点満点に換算
対象教科:国語・社会・算数・理科・音楽・図工・家庭・体育・外国語(英語)
評定方法:「3」=25点、「2」=20点、「1」=5点 

ころっとママ
ころっとママ

例えば、両国高附属中だと、「3」が40点で、「2」が25点と、両者の得点差が大きいので、通知表で2の評定が多い子は圧倒的に不利💦
一方、小石川中等教育学校は、「3」が25点で、「2」が20点と、得点差が比較的小さいので、2の評定が多くても戦える可能性あり•••ということ♡
志望校選びは、こういった細かい配点の特徴にも目を配ることが重要です。


適性試験対策のポイント

理系重視の傾向

都立中高一貫校では、学校ごとに実施される適性検査の数や内容に違いがあります。たとえば、

  • 桜修館中等教育学校
  • 立川国際中等教育学校
  • 三鷹中等教育学校
  • 南多摩中等教育学校
    では、適性検査ⅠとⅡの2種類のみを実施しています。

この2科体制では、作文や資料読解など、総合的な思考力が求められることが多く、出題は比較的バランス型です。

一方、小石川中等教育学校は、3科(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)を実施する学校
特に適性検査Ⅲは学校独自作成で、他校には見られない算数・理科に特化した問題が出題されます

ころっとママ
ころっとママ

たとえば、図形の構成を問う問題や、理科実験の結果を考察するような出題が見られ、計算力よりも論理的に考える力や粘り強く取り組む姿勢が重視されています。

対策ポイント

小石川中等教育学校の適性検査は、思考力・判断力・表現力を多角的に評価するために設計されています。以下に、各検査の特徴と対策ポイントを簡潔にまとめました。

適性検査Ⅰ

  • 内容:2つの文章を読み、それに基づいた読解問題と400字以上440字以内の作文が出題される。
  • 対策ポイント
    • 要約力の養成:文章の要点を的確に把握し、自分の言葉で短く言い換える練習をする。
    • 意見表現の練習:自分の考えを論理的に構成し、明確に表現する練習をする。
    • 記述ルールの確認:段落の最初は一字下げ、句読点も一字として数えるなど、記述のルールを守ることが重要。

適性検査Ⅱ

  • 内容:資料を基にした問題で、計算、グラフ作成、記述などが含まれます。
  • 対策ポイント
    • 資料読解力の強化:統計資料やグラフ、表などを正確に読み取り、必要な情報を抽出する練習をする。
    • 計算力の向上:割合や比率の計算、グラフ作成など、数的処理の練習をする。
    • 記述力の養成:短文で自分の考えを明確に表現する練習をする。

適性検査Ⅲ

  • 内容:理科や算数に関する問題で、実験や観察、規則性の発見などが含まれる。
  • 対策ポイント
    • 理科の基礎知識の習得:生物・地学・化学・物理など、幅広い分野の基礎知識を身に付ける。
    • 算数の応用力の強化:立体図形や規則性の問題に対応できるよう、応用力を身に付ける。
    • 実験考察力の養成:実験結果を分析し、論理的に考察する力を身に付ける。
ころっとママ
ころっとママ

過去問を説いて出題傾向に慣れることも大事だけど、普段の生活でも、自然現象や数理的な事象に興味を持って、観察・考察する習慣を身につけることが大切ですね。

↑ さらっと難しいこと言ってすみません笑。


おわりに

今回は、志望校選び第2弾として、
小石川中等教育学校について調べてみました。

小石川中等教育学校を調べてみて、やっぱり一番惹かれたのは、自由な校風の中で、自分の学びを主体的に選べる環境があることでした。
進学校でありながら、型にはまらず、それぞれの個性や探究心を大切にしてくれる――そんな印象を受けました。

ただ、その自由さは、「自分で考えて動く力」があってこそ活きるもの。
自由と責任は、やっぱりセットなんですよね。

だからこそ、しっかりとした土台のある子にとっては、大きく伸びるチャンスのある学校なんだろうなと感じました。

次回は、他の学校についても調べて、また書いてみたいと思います。
よかったらまた覗きにきてくださいね🌸


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